“おもしろいじゃないか”わけの分からない元気をもらったインド(撮影:1990年5月)

 初めてインドに行ったとき圧倒されたのは、猛烈な暑さであり、人・牛・犬・車などが混然と渦巻き、騒音と共にうねっている光景だった。この渦中で、自分の身をどこに置いたらよいのか戸惑ってしまった。
 子供から大人まで実にエネルギッシュに動き回っているかと思えば、野良牛が八百屋の野菜をつまみ食いしていたり、疲れ果てた物乞いが路上に寝ていたりする。そうした空間を取りまとめているのが、車の排気ガスとこれでもかといわんばかりにかき鳴らすクラクションだったりする。
 あ然として傍観しているうちに「おもしろいじゃないか」という気持ちがフツフツと沸いてくるのであった。写真(デリー郊外)にあるような飲食物を売るスタンドがあちこちにあり、水よりも安心で安いビールをがぶ飲みして、暑さをしのぎながら旅を続けた。
 この旅以降インドに出かけていないが、いまや成長著しいインドの現状はどうなっているだろうか。あのカオスはまだ残っているだろうか。また「おもしろいじゃないか」と思える旅がしたい。

comment

    %d人のブロガーが「いいね」をつけました。