上海で聞くスイングジャズはとろけるような響きだった(撮影:1997年4月)
上海にはよく行った、というか立ち寄ったといった方がいいだろう。中国を旅行するとき上海を経由地にして飛行機を乗り換えることが多く、行きと帰りの二泊を上海で過ごすことになる。
ボクはこの街が好きだ。繁華街も裏通りにも、常にワクワク感が漂っている。それは、本や雑誌で読んだ昭和初期、租界時代の魔都や上海バンスキングへの思い込みのせいかもしれない。
そのイメージをいまだに残しているのが、和平飯店のバーで毎夜くり広げられるOLD JAZZ BANDの演奏だ。年配の演奏家がスイングジャズを軽快に奏でると、時代がスリップしていく。ジャズ好きのボクとしては、この感覚が好きで何度も足を運んだ。
ときには、ゲストとして美人のボーカリストが登場。華やかなチャイナドレス姿で唄うテネシーワルツは絶品で、英語ではなく上海語のとろけるような響きがたまらないのであった。
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