煙がゆっくりと上へ登ってゆき御利益は末永くつづく(撮影:1996年5月)
渦巻きの弾みそうな流れが美しい。「何だろう」と思った人にお答えすると、線香である。友人4人で出かけたベトナム・ホーチミンのお寺にお参りしたときに撮ったもの。
今となっては、どのような経緯でこの仏教のお寺を訪ねたのか、ほとんど思い出せない。ただ、渦巻きの線香を“奉納”すると、徳のないボクでも御利益があるというのだ。
らせん状に上へと登っていく線香の高さは1メートル近くある。願い事などをこめて火をつけると、お坊さんが長い竿で梁につり下げてくれる。末永く御利益がつづくようにと、線香の煙はゆっくりと登っていき、燃え尽きるまで2日くらいかかるという。
ボクがこの年まで元気でいられるのは、この時の御利益がいまだにつづいているからかもしれない。
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