ブータン王国 ティンプー、タシチョ・ゾン(撮影:1990年5月)

 ブータンという国に行ったのは30数年前のことだ。だから当然、ボクも若かく足腰も丈夫で健脚とまではいえなくても、山道の上り下りなどを苦にすることはなかった。
 この首都ティンプーの谷間に鎮座するのは、ブータン政府の行政・司法・僧院を司るタシチョ・ゾンである。このゾンが俯瞰できる山の中腹まで、徒歩で登ってきても息切れすることもなかった。谷間を静かに流れる風を身に受けながら、絶景を堪能したのであった。
 赤と朱色の中間のような屋根、均整のとれた立ち姿、遠い昔から何も変わっていないぞ、といった存在感がつたわってくる。とはいっても、現実離れしているわけではない、しばらくして気がついたのであるが、写真手前の薄いグリーンの芝生はゴルフ場になっている。ブータンとゴルフ・スポーツ、ボクのイメージの中でにわかに結びつかなかったのあるが、あっても何ら不思議ではない。
 王様がゴルフ好きなのか、市民のなかにも楽しむ人がいるのかもしれない。このときは特段、確かめることはなかったが、ちょっと気になることではあった。

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