インドのタージ・マハルで苦笑いのこおどりダンス(撮影:1990年5月)

 ご存じ、インドが誇る世界遺産のタージ・マハル。いちど実物を見てみたいと、アーグラに出向いたのはインドで最も暑い時期、1990年5月のことであった。白亜の総大理石造の美しさは想定を遙かに超え、感涙した。
 建物だけでなく手入れされた庭園を含め、すべて左右対称に演出された景観を堪能して、少し落ち着いた。次いで、建物内部へと向かった。
 土足で入ることが禁じられており、靴は脱いでビニール袋に入れて持ち運ばなければならない決まりになっている。大理石を痛めないための配慮からだろう。そうした配慮は日本でもおなじみなので、他の観光客、特に欧米人にみられるような戸惑いはなかった。
 それはいいとして、こおどりでもするようなダンスを強いられるのである。強烈な太陽光が大理石を熱し、床面がものすごい高温になっているのだ。足の裏が熱くて立っていられない、アッチチ・アッチチと踊ってしまう。恥ずかしいやら、不甲斐ないやらで、苦笑いするしかない。
 地下室にまで下りていって、やっと足の裏がヒンヤリして、大理石って本来こんな感触だったよなぁー、と思うのであった。

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