白いアオザイが美しかった三人娘はどんな大人になっているのだろうか(撮影:1996年5月)

 当時、ホーチミン市内の道路はオートバイで満ちあふれ、途切れることなく疾走していた。横断歩道以外で向こう側に渡ろうとするのは、自殺行為に近いものがあった。スーパーカブに4人、5人乗りなんてのも珍しくなく、見ている方がハラハラしてしまう。
 でも、この写真にはホッとする。おそらく女子高校生であろう三人娘が楽しそうに通学している姿が格好いい。清楚な白いアオザイが制服になっている学校が多いと聞いた。
 白いアオザイが眩しいくらい南国の街に似合っている。ベトナム戦争が終結して、サイゴンに平和がもどってきた象徴のように思えたものだった。ボクと同年代の者にとって、ベトナム戦争は青春時代の大きな関心事だったし、いまでもホーチミンよりもサイゴンの方がしっくりする。
 サイゴンといえば、近藤紘一の「サイゴンから来た妻と娘」が思い出される。ベトナム女性は男よりはるかにしっかり者で、生活力に富んでいるらしい。この仲良し三人組も芯の強いたくましい大人になっているに違いない。

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