この寡黙な働きものにエールを送ろう(撮影:2000年12月)

 牛車に引かれてどこへ行くのだろう。ここは中国・雲南省、ベトナムと国境を接している河口という町である。外国人観光客が中国からベトナムへ陸路で移動できるようになり、いわゆる「国境が開放された」というので、出かけた旅であった。
 このあたりはどこまでも農地が広がり、のんびりした時間が流れ、牛や馬は農耕に欠かせない役割を担っている。写真のような光景に出会うとホッとする。と、同時に車社会に毒されてしまっている自分を感じないわけにいかない。
 畑を耕すにしろ、荷を積んで移動するにしろ、牛や馬は化石燃料を必要としない“動力”である。いま叫ばれている地球に優しい持続可能なエネルギーとして、見直してもいいのではないだろうか。
 ところで、牛の足を見てほしい。しっかりと踏ん張っているではないか、この寡黙な働きものにエールを送りたい。

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