客家の円楼は築100年以上も経つ伝統建築である。(撮影1993年3月)

 この建物は、客家(ハッカ)の人たちが住む「円楼」という住まいである。伝統文化に基づいた確たる建築技術で建てられていることを思うと、失礼ではあるが、簡単に説明するとドーナツ状の四階建て集合住宅ということになる。
 中国・福建省・永定県にはこうした円楼がたくさんあり、写真の円楼は最も大きなもので、築100年以上経っている。規模は直径79㍍、周囲229㍍、高さ12㍍、部屋の数は300もある。
 外壁は土壁で、内側の造作は木造である。ここに一族が集まり、主に農業で暮らしを立てている。でも、近年は都会へ出稼ぎにでる若者が増えて、人口が減っているという。
 ボクは30年ほど前に、これら客家の建物を調べに出かけ、かなりのカルチャーショックを受けて、感慨に耽ったのであった。

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