ベトナム・ハノイからやって来た国際列車に出会えた国境の町(撮影:1996年5月)
みんなどこかウキウキした様子でたむろしている。何かあるのだろうと、ボクも身を乗り出して仲間に入れてもらうことにした。ここは中国とベトナムの国境の地、河口(中国側)という町だ。
写真の中央に注目してほしい。こちらに列車が向かってきている。国境線であるソンホン川の鉄橋を渡って、ベトナムのハノイからやって来た国際列車が河口駅に到着するところなのであった。
遮断機が下りて通行止めになっているのであるが、国際列車を見ようとみんなが線路側に乗りだしている。この国際列車が日に何本通過するのかは分からないが、たまたまボクも出会わせたことことに、素朴な幸運を感じた。
ボクがここにいたのは、国際列車とは逆にバスでハノイに向かう途中で、出国手続きをしていたからである。国境の町は島国の日本では味わえない面白さがある。いかがわしいものをたくさん扱っている免税店があったり、一癖も二癖もありそうな闇の両替人が「他よりレート高く買うよ」とすり寄ってきたりする。
話によると、言葉もよく分からない外国人が、闇で両替するとほとんど騙されるという。ここでは主に元とドンの交換が多いようであるが、円やドルも扱っているのか?、レートも相場も詳しくない素人は近づかない方が無難である。
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